TESLA MODEL S 2015 取扱説明書 (in Japanese) 

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パーキングアシストの動作原理
Model S がパーキングアシストオプションを装備している場合、フロント バンパーとリア バンパーの両方に 4 つのセンサーがあります。ドライブまたはリバースでゆっくり動いているときにフロントバンパーまたはリア バンパーの近くで物体が検出されるとセンサーが警告を発します。
警告: 下図に示すパーキングアシストは見本です。パーキングアシストセンサーの正確な数と位置は、お客さまの Model S の製造日に応じて変わることがあります。
時速 4.8 km未満で運転すると、センサーが作動します。
警告: 近づいている場所に物体があったり人がいたりするかどうかを調べるときに、パーキングアシストに頼らないでください。外部要因によってパーキングアシストの性能が低下し、センサーが読み取り不能になったり読み取りエラーが生じる場合があります (52ページの「制約と誤警告」を参照)。従って、パーキングアシストに頼って Model S が障害物に近づいているかどうかを判断すると、車両や物品を損傷したり、大けがの原因となるおそれがありま
す。必ず自分の目で近づいている場所を確認してください。バックするときは、後ろを振り返って、すべてのミラーを利用してください。パーキングアシストはお子さま、歩行者、自転車、動物、または移動したり突起している物体、センサーのはるか上または下にある物体、センサーのすぐ側もしくは離れたところにある物体を検出できません。パーキングアシストは誘導のみを目的としており、運転者自身の直接の目視による確認を肩代わりすることは意図していません。パーキングアシストは注意深い運転に代わるものではありません。
視覚的、聴覚的フィードバック
リバースまたはドライブにギアを入れて Model Sが 時速 4.8 km未満の速度でゆっくり移動しているときに、リア バンパーまたはフロント バンパーの近くで物体が検出されると、注意を促すフィードバック情報が計器パネルの左側に表示されます。バックしていると、視覚的フィードバックもタッチスクリーンのカメラ ビューの真下に表示されます (60ページの「リア ビュー カメラ」を参照)。
チャイムがオンになっていれば (51ページの「チャイムによるフィードバックの調整」を参照)、物体に近づいたときにビープ音が鳴ります。ハンドルの左側のスクロール ホイールを押すことによって一時的にチャイムをミュートすることができます。
注: センサーがフィードバックを出力できない場合は、計器パネルに警告メッセージが表示されます。
注意: センサーに泥、ゴミ、雪、氷が付着しないように注意してください。高圧洗浄機をセンサーに使用しないでください。センサーの表面を傷つけたり損傷したりするおそれのある尖ったものや研磨剤でセンサーをクリーニングしないでください。
注意: パーキング センサーの上または近くにアクセサリーを取り付けたりステッカーを貼ったりしないでください。
チャイムによるフィードバックの調整
パーキングアシストを使用するときの音によるフィードバックをオン/オフすることができます。チャイムをオン/オフするには、 「コントロール」 > 「設定」 > 「安全とセキュリティ」 > 「パーキング アシスト チャイム」の順にタッチします。
ハンドルの左側のスクロール ホイールを押すことによって一時的にチャイムをミュートすることもできます。その場合、チャイムは、他のギアにシフトするまで、または速度が 時速 4.8 kmを超えるまでミュートされます。
パーキングアシスト
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制約と誤警告
以下の場合はパーキング センサーが正しく機能しないことがあります。
•1 つまたは複数のパーキング センサーが損傷していたり、汚れていたり、(泥、氷、雪などで)覆われていたりする場合。•物体がおよそ 20 cm 下にある場合 (縁石や低い柵など)。•気象条件 (豪雨、降雪、濃霧) がセンサーの動作に干渉している場合。•物体が薄い場合 (道路標識など)。•センサーの動作範囲を超えている場合。•物体が音を吸収する場合またはやわらかい場合(粉雪など)。•物体が傾斜している場合 (傾斜している土手など)。•外気温度が極端に高いまたは低い環境でModel S を駐車したり運転したりした場合。•センサーが超音波を発する他の電子機器の影響を受けている場合。•物体がバンパーに近すぎる場合。•バンパーがずれている場合または損傷している場合。•Model S に取り付けられている物体がセンサーと干渉していたり、センサーを妨害していたりする場合 (バイクラックやバンパーステッカーなど)。
その他のパーキング補助装置
パーキングアシストのほか、リバースギアにシフトすると、バックアップ カメラに Model S の周囲の映像が表示されます。60ページの「リア ビューカメラ」を参照してください。
パーキングアシスト
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走行情報を表示する
「コントロール」 > 「走行データ」の順にタッチすると、タッチスクリーン上に走行情報が表示されます。トリップメーターは A と B の2つあります。どちらか一方のトリップ メーターだけをリセットするには、対応する 「リセット」にタッチします。
注: 計器パネル上に航続距離や走行情報を表示することもできます (35ページの「ハンドルの左ボタンを使用する」を参照)。
走行情報
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航続距離を最大限に伸ばすヒント
ガソリンエンジン車で燃料を節約するのと同様の運転方法で航続距離を最大限に伸ばすことができます。エネルギー消費量は運転方法に加え、環境条件によっても変わります (寒冷な気候や山岳路など)。1 回の充電で最大限の航続距離を確保するに以下の点に留意してください:
•急激な加速を頻繁に行わないでください。•減速にブレーキを使用せず、足をアクセル ペダルから離します。Model S が動いている状態でアクセル ペダルから足を離すと、回生ブレーキが作動して Model S を減速させ、余剰エネルギーをバッテリーに戻します (56ページの「回生ブレーキ」を参照)。•タイヤは推奨空気圧を維持してください (91ページの「タイヤの手入れと保守」を参照)。•必要のない荷物は車両から降ろして、負荷を軽減します。•ヒーターやエアコンなどの電装品の使用を控えます。キャビン内を暖房するより、シートヒーターを利用するほうが効果的です。レンジモードをONにすると、自動的に空調システムの電源消費量が抑制されます (65ページの「設定」を参照)。
計器パネルの電力メーターと Energy アプリがエネルギーの使用方法についてのフィードバックを表示します。このフィードバックにより、運転習慣と環境条件がModel S のエネルギー消費量にどのような影響を与えるか分かるようになります。
エネルギーの節約
Model S には省エネ機能があり、Model S を使用していないときの消費エネルギーを減らすことができます。「コントロール」 > 「スクリーン」 > 「省エネモード」の順にタッチし、以下のオプションを選択します:
•「OFF」:Model S を使用していないときもすべての表示システムが通電されたままとなり、素早い反応が得られます。エネルギー消費が多くなります。•「NIGHTLY」:夜間 (午後 10 時から朝 5 時まで) Model S が省エネモードに移行します。•「ON」:Model S を使用していないときのエネルギー消費がかなり少なくなります。計器パネルとBluetoothの起動が遅くなります。•「Always Connected」:省エネモードが機能しているときも電池の接続を維持します。このオプションにより、モバイル アプリと Model Sの接続が速くなり、車に乗ってからすぐに 3Gインターネット接続が可能です。エネルギー消費がやや多くなります。
航続距離を最大限に伸ばす
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ブレーキシステム
Model S は、最大のブレーキ圧をかけたときにホイールがロックすることを防止するアンチロック ブレーキシステム (ABS) を装備しています。この機構によって、大半の路面状態で急ブレーキ時のステアリング制御が改善されます。
緊急ブレーキ操作中は ABS が常に各ホイールの速度をモニターし、利用可能なグリップに応じてブレーキ圧を変更します。
ブレーキ圧が変わると、ブレーキ ペダルから振動が伝わります。これは ABS が作動していることを示すもので、異常な動作ではありません。振動が感じられる間は、ブレーキ ペダルを一定の圧力でしっかり踏み続けてください。
Model S を始動させると、計器パネルのABS インジケーターが短く点滅します。それ以外の場合にこのインジケーターが点灯するときは、ABS が故障しており、機能していません。Tesla に連絡してください。ABS が故障していても、ブレーキシステムは影響を受けることなく完全に機能します。ただし、ブレーキの制動距離が長くなることがあります。
Model S の始動時に短く点滅する以外にこのインジケーターが計器パネルに表示された場合は、ブレーキ システムの故障が検出されたか、ブレーキフルードのレベルが低下しています。その場合は、ただちに Tesla に連絡してください。
緊急ブレーキ操作
緊急時は、摩擦力の低い路面上でも、ブレーキ ペダルを床まで力一杯踏み込んで圧力を保ち続けます。ABS は、利用可能な摩擦力に従って各ホイールのブレーキ圧を調整します。この機能によってホイールのロックが防止され、可能な限り安全に停車することができます。
警告: ブレーキ ペダルを軽く何度も踏むポンピングはしないでください。ポンピングは ABSの動作を妨げ、制動距離を長くするおそれがあります。
警告: 常に前の車との間に安全距離を保ち、危険な運転状況に注意してください。ABS は制動距離を改善することができますが、物理法則を変えることはできません。ABS はハイドロプレーニング現象 (水の層がタイヤと路面との直接の接触を妨げる現象) の危険を防ぐこともできません。
ブレーキの摩耗
Model S のブレーキ パッドはウエア インジケーターを備えています。ウエア インジケーターは、ブレーキ パッドに取り付けられた薄い金属片で、パッドが摩耗するとローターとの間でこすれてスキール音が鳴ります。このスキール音は、ブレーキ パッドの耐用寿命が尽き、交換が必要であることを示します。スキール音を止めるには、Tesla サービスにお問い合わせください。
タイヤとホイールを取り外して定期的にブレーキを点検する必要があります。ローターとブレーキ パッドの詳細な仕様と整備期限については、122ページの「ブレーキ」を参照してください。
警告: 摩耗したブレーキ パッドを交換しないと、ブレーキ システムを損傷し、危険なブレーキ動作を招くおそれがあります。ブレーキ
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回生ブレーキ
Model S が走行しており、運転者の足がアクセルから離れているときは、常に回生ブレーキが Model Sを減速させ、余ったエネルギーをバッテリーに戻します。
停車に備えアクセルから足を離して減速することで、回生ブレーキを利用して航続距離を伸ばすことができます。もちろん、回生ブレーキは安全のために必要とされる通常のブレーキと同じ役割を果たすものではありません。
注: 急な坂などで回生ブレーキが効き、Model S が著しく減速すると、ブレーキ ランプが点灯し、Model S が減速していることを後続車に知らせて警告します。
計器パネルのパワー メーターに回生ブレーキから得られるエネルギー量に関するリアルタイムのフィードバックが表示されます。
回生ブレーキを利用してバッテリーに戻されるエネルギー量は、バッテリーの現在の状態と使用している充電レベルの設定によって異なることがあります。回生ブレーキが制限されていると、パワーメーターに黄色い点線が表示されます。たとえば、バッテリーがすでにフル充電されていたり、外気温が低い場合は、回生ブレーキ動作が制限されることがあります。
回生ブレーキ レベルを設定するには
タッチスクリーンを使用して回生ブレーキのレベルを変更できます。
1.「コントロール」 > 「運転モード」 > 「回生ブレーキ」 の順にタッチします。2.2 つのレベルのどちらかを選択します。
•「Standard」:回生ブレーキのレベルを最大にします。アクセルから足を離すとModel S がより早く減速し、ブレーキを使用する必要性が軽減されます。•「Low」:回生ブレーキのレベルを制限します。アクセルから足を離したときにModel S が減速するまでの時間がより長くなり、惰性走行がより長く続きます。
パーキング ブレーキ
Model S をパーキング位置にシフトすると、パーキング ブレーキが自動的に作動し、他のギアにシフトするとパーキング ブレーキが解除されます。
注: パーキング ブレーキは後輪のみに作用し、足踏みブレーキ システムからは独立しています。
手動でパーキング ブレーキを解除するには、タッチスクリーンを使用します (パーキング ブレーキが解除されると、Model S はニュートラルにシフトします)。
1.「コントロール」 > 「Eブレーキと電源オフ」の順にタッチします。2.ブレーキ ペダルを踏み、「パーキングブレーキ」にタッチします。Model S がパーキングになっていた場合は、ニュートラルにシフトします。
タッチスクリーンを使用して手動でパーキング ブレーキを作動させると、計器パネルのパーキング ブレーキ インジケーターが点灯します。
パーキング ブレーキに電気的な問題が発生すると、タッチスクリーンの上部中央に黄色いパーキング ブレーキ故障メッセージが表示されます。
注意: 万一 Model S の電源が切れた場合、パーキング ブレーキを解除することはできません。
ブレーキ
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動作の仕組み
トラクションコントロールシステムは、常に前輪と後輪の速度差をモニターしています。Model S のトラクションコントロールが低下すると、トラクションコントロールシステムはブレーキ圧とモーターの電力を制御して車輪の回転を最小にします。
トラクションコントロールシステムがブレーキ圧とモーターの電力を効果的に制御しているときは、常に計器パネル上に電子安定性制御インジケーターが表示されます。
警告: トラクションコントロールシステムは、危険な運転や高速で急回転することで引き起こされる事故を防止するものではありません。
オフにする
通常の状態では、トラクションコントロールシステムはオンにしておいてください。以下のような、どうしても車輪を回転させたいという場合に限って、システムをオフにします。
•砂利や雪などの緩い路面での発進。•深雪や砂、泥道での走行。•穴や深い轍からの脱出。
トラクションコントロールをオフにするには、 「コントロール」 > 「運転モード」 > 「トラクションコントロール」 > 「オフ」の順にタッチします。
トラクションコントロールシステムをオフにすると、タッチスクリーン上部中央に、常に「トラクション コントロールOFF」インジケーターが表示されます。
次回 Model S を発進するとき、トラクションコントロールシステムは自動的にオンになりますが、システムをオフにしなければならない状況がなくなったら、タッチスクリーンを使ってすぐにシステムをオンにしてください。
トラクションコントロール
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クルーズ コントロールの操作
クルーズ コントロールを使用すると、アクセルを踏み続けなくても簡単に一定の速度を維持することができます。これは長距離走行時に同じ速度を維持して走行したい場合に便利です。
クルーズ コントロールは走行速度が時速 27 km を超える場合のみ動作します。
警告: 山道や滑りやすい路面または一定速度での走行が危険な交通状況では、クルーズ コントロールを使用しないでください。
クルーズ コントロールの操作:
1.走行速度が時速 27 km 以上の場合、クルーズコントロール レバーの先端部にタッチします。レバーのライトが点灯します。
2.必要な巡航速度まで加速します。3.クルーズ コントロール レバーを上または下に動かして放します。
計器パネルの速度計の上方に「クルーズ ON」というメッセージが表示され、速度計に白い矢印で設定速度が表示されます。
クルーズ コントロールの設定速度で走行中は、いつでも加速できます。しかし、アクセル ペダルを放すと、再び設定速度に戻ります。
警告: 下り坂では走行速度が上昇し、Model Sの速度が設定速度を超えることがあります。巡航速度の変更
必要な速度になるまで、クルーズ コントロール レバーを上 (増加) または下 (減少) に動かします。
注: Model S が新たに設定した巡航速度に達するまで数秒かかります。設定速度を時速 27 km 未満に下げると、クルーズ コントロールがキャンセルされ、設定速度がクリアされます。
キャンセルおよび再開
以下のいずれかの場合、クルーズ コントロールがキャンセルされます。
•ブレーキを踏む。•時速 27 km 未満の速度で走行する。•Drive 以外にシフトする。
クルーズ コントロールを手動でキャンセルするには、クルーズ コントロール レバーを少しだけ前方へ押します。計器パネルのメッセージは消えますが、Model S の電源を切るまでは設定速度は表示されたままです。
前回の設定速度で再び巡航する場合は、クルーズ コントロール レバーを少しだけ手前に引きます。走行速度が 27 km を超えるとクルーズ コントロールが再開します。
クルーズ コントロール
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ヒル スタート アシストでは、坂道で約 1 秒間ブレーキが自動的にかかります。これにより、足をブレーキ ペダルからアクセル ペダルへ移動させる間にModel S が惰性走行することを防止します。ヒルスタート アシストでは、 Model S のギアがドライブに入っていて上り坂の場合、またはリバースに入っていて下り坂の場合のみ、ブレーキがかかります。
警告: 約 1 秒経過すると、ヒル スタート アシストによるブレーキは解除されるため、車両が惰性走行する場合があります。したがって、ブレーキ ペダルからアクセル ペダルへの足の移動はすばやく行ってください。ヒル スタート アシストを過信しないようご注意ください。ヒル スタート アシストにより、Model S の惰性走行を 1 秒以上にわたって防止することはできません。ヒル スタート アシストを過信すると、事故につながる危険があります。
ヒル スタート アシスト
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カメラ位置
Model S では、リアライセンスプレートの上にリアビューカメラが付いています。
ギアをリバースに入れると、このカメラの画像がタッチスクリーンに表示されます。
注: Model S がパーキングアシスト機能を装備している場合は、カメラ画像の下にパーキング センサーからの視覚的フィードバックが表示されます。51ページの「パーキングアシスト」を参照してください。
警告: 車両をバックする際に、車両の背後に人がいるか、または障害物があるか、リアビューカメラの映像だけで判断しないでください。このカメラでは、車両への損傷や人身事故につながる可能性のある障害物や人を検出できない場合があります。また、カメラの検出能力はレンズの汚れや視界の遮断など、いくつかの外的要因によって低下することがあります。このため、リアビューカメラによってのみModel S の背後に障害物があるかどうかを確認するのは、車両や物体への損傷、さらには重大な人身事故につながる危険性があります。必ずご自分の目で確認してください。バックするときは、後ろを振り返り、すべてのミラーを使用するようにし、カメラは補助としてご利用ください。カメラは目視確認の代わりおよび安全運転にとって代わるものではありません。
カメラのクリーニング
カメラのレンズはできるだけ鮮明な画像が得られるように清潔に保ち、視界が遮られないようにしてください。ゴミは、ときどき湿らせた軟らかい布でカメラのレンズを拭いて取り除いておいてください。
注意: カメラ レンズの表面に傷がつく可能性のある化学薬品系や研磨剤系のクリーナーは使用しないでください。リア ビュー カメラ
60Model S オーナーズ マニュアル

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